九州支部 一泊研修レポート


田辺 久豊(九州支部会員)


<九州支部一泊研修レポート>
〜五島の海からの贈り物〜

 11月2、3日に行われた九州支部の一泊研修のレポート(事件報告含む)を報告させて頂きます。

 今年の一泊研修は野母先生が主幹事をされ、野母先生の故郷である長崎県の五島列島に行って参りました。長崎港から高速ジェット船で90分(約100km)の距離にある五島列島は、手つかずの自然にあふれる美しい島で歴史的建造物が多く残っていました。

その一例を紹介しますと、

 ・堂崎天主堂:キリスト教弾圧の時代に建てられた赤レンガの美しい教会。
 ・明星院:弘法大師が唐からの帰国の際に立ち寄りこの寺の名前をつけたという。

そして名物は、

 ・五島うどん:五島特産の椿油が練り込まれた日本三大うどんのひとつ。

福江島鬼岳にて

 今回の一泊研修は、五島列島最大の島である福江島の半分近く巡った非常に有意義な企業訪問兼観光でありました。

 企業訪問では、島に到着して直ぐに「株式会社浜口水産」様を訪問しました。浜口水産社は五島近海で獲れた新鮮な魚から蒲鉾や天ぷらを製造されている会社です。代表取締役である浜口社長から、会社沿革と今後の展望や食品偽装問題、コンプライアンスに関するお話をお伺いし、工場見学をさせて頂きました。食品偽装問題が頻発する食品製造業界の中で、自社製品の品質保持に誠意を持っている浜口社長の『当たり前のことを当たり前にやっていれば必ず生き残れる』という言葉に一同深く頷いたのでした。

 そして、次に【鬼鯖(おにさば)】というインパクトのある商品名の鯖寿司を製造されている「三井楽水産」様を訪問しました。鯖に寄生している虫の除去と鮮魚の品質保持に苦労されたお話をお聞きし、工場内での製造過程を見学させて頂きました。
(この鯖寿司をお土産に購入したのですが、本当に美味しかったです。鯖寿司がお好きな方はインターネットで「鬼鯖」と検索してみて下さい。ネット販売もされているようです)

 2日目は野母先生が観光案内をしてくださいました。そして、観光の途中に立ち寄った砂浜で信じられない事件が起こりました。

 ちょうど引き潮で海の水が急激に減っていく中で、なんと中島先生が手掴みで、体長50センチはあろうかと思われる魚を捕まえたのです!!

 その魚は【ウマヅラハギ(カワハギの一種)】でした。この魚をさてどうするか、折角中島先生は捕まえた魚でもあるし、このまま捨てるにはもったいないし、と言うわけで全員が『食べたい!!』と思う気持ちで一致しました。

 そこで、すぐ近くにあった茶屋に持ち込んで『調理して欲しい!』と頼み込んだのですが、なんとそこの茶屋は「料理をしない飲食店?!」らしく、厨房はあるけれども調理出来る人が居らず、包丁も錆びていて使い物にならない状態でした。

 ところがそこは、強者(曲者?)揃いの我らが九州支部はそんなことでは怯みませんでした。少年時代に実家の魚屋を手伝っていたという松本先生が、なんと自ら包丁を研ぎ、生きた魚を3枚におろして見事に調理されたのです!

 実は前夜の宴会の席で、松本先生は『実家は魚屋で少年時代は毎日手伝っていたので魚のことは俺にまかせろ!』という話をされていました。そんな話を前夜に聞いたばかりだったものですから、茶屋に調理できる人がいないと分かった瞬間に『松本先生にやってもらおう!』ということになったわけです。そして、松本先生はその期待に見事に応えてくださり、参加者全員新鮮な刺身と肝を充分過ぎるほどに堪能することが出来ました。まるで五島の海が経営士協会九州支部の前途を祝ってくれたようでありました。一芸に秀でる者は多芸に通ずとの諺が有りますが、中島先生と松本先生の多方面にわたる活躍のご様子を伺い知りえる出来事でした。

 中島先生のコメント:
 きれいな海だなぁって眺めてたんですよ。海の水がどんどん減っていくから引き潮なんだろうなぁって。そしたら、水がほとんどなくなったところに魚がいるのに気づいて・・・死んでるんだろうなぁって思って見てたら「ぴくぴく」って動くじゃないですか!あっ!生きてるぞって!

 松本先生のコメント:
 芸は身を助ける!生まれ変わったら魚屋になります。

松本一喜先生の魚さばきのご様子

 私自身は平成18年に当協会に入会し、九州支部の一泊研修には今年で2回目の参加となりました。私が入会した頃から九州支部では定期的なセミナーや研修会が行われていますが、ほとんど活動しなかった時期が数年間あったと聞きました。しかしその時期の中でも唯一、この一泊研修だけは毎年実施されてきたらしく、この一泊研修が「九州支部の命綱」だったそうです。私のような若輩者が、経験豊富な先生方と夜を明かして語り合える機会はそう多くはありません。この一泊研修は本当に有意義で貴重な体験が出来ると思っています。今後世代交代が進んだとしてもこの素晴らしい伝統は継続していきたいと思います。

朝から生で乾杯!

<プロフィール>
小学校時代にコンピューターに興味を持ち、プログラマ、SE、ネットワーク・サーバー管理者などのITエンジニアとして会社員時代を過ごしました。「自分の可能性にチャレンジしたい!」との思いが強く、営業経験もまったくないままに30歳で独立。
「自由に飛び回って自分のやりたいことをやるぞ!」という決
意を込めて、【有限会社フリーバード】という会社を設立しました。そして4年間自由に飛び回った結果、「やっぱり自分にはITしかないのだ!」と悟り、【株式会社ネットウェイズ】を設立し現在に至る。
1972年生まれ、山口県在住。
http://www.netways.co.jp/