日本経営士協会九州・中国支部

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トップページ >  経営に役立つ話の一覧  >  9.今、経営士が必要とされる時!(2010/10/1発行の会報第26号に掲載)

今、経営士が必要とされる時!


経営士協会九州支部長
河野茂男


1.はじめに
 昨今の日本企業を取り巻く経営環境は、米国のリーマンショック以来、円高、雇用不安、国の財政赤字、公共投資減少、少子高齢化による人口減少、マーケット縮小、競争の激化などとデフレスパイラルの閉塞状況にあるといえます。
 日本のGDP経済成長率は1991年〜2008迄の18年間で平均0.8%であり、2009年は名目▲3.7%、2010年8月▲4.2%となっています。このような状況下では、通常の経営努力だけでは、売上や付加価値を伸ばすことは難しくなって来ており、労働者の賃金も低迷を続けています。しかし、企業コストのなかで人件費の占める割合が一番高く、その皺寄せが、フリータ等の非正規雇用社員の増加となり社会問題の一つになっています。
 国税庁が公表した2007年分の民間給与実態統計調査によると、一年を通じて勤務した給与所得者4,543万人のうち、年収100万円以下の階層が366万人、100百万円超200万円以下の階層が666万人となり、合計で1,032万人に達したと報道しています。この調査結果は、かつての経済大国日本の栄光は消えうせ、国民の大部分が中流意識を持てた時代が、もう既に過去の思い出であることを示しています。

2.ゆるやかな成長をする企業で良い
 企業経営者は、多かれ少なかれ、そこで働く労働者の幸福を考えています。経営者が自身の損得のみを考えている企業は、いずれ従業員からもそっぽを向かれてしまうでしょう。従業員の幸せ感やモチベーションは、給与金額の多寡のみで決まるものではなく、文化的な生活をエンジョイするために重要な要素となっています。
 毎年、少しでも良いから昇給させるためには、企業は緩やかでも良いから成長し、業績を伸ばしてその人件費コストを吸収する必要があります。
 急激な成長は、必ず反動が生じます。強風が吹けば、草木が強く揺れます。日本政府が緩やかな経済成長を望んでいるので、政府方針に沿った企業成長で良いものと思われます。
 中小零細企業の約7割が赤字を計上している現況では、かつての好景気時代と違い、小手先の経営改善のみでは、業績は向上いたしません。中小零細企業の経営者の方々は、経営に関する様々なアイデアをお持ちですが、日常業務に追われて、「成長をするための戦略」についてゆっくり考える時間を持てませんし、それを文章にするのが苦手な方々も多く、経営士が深く関与する機会が多いと言えます。また経営者の方々と一緒になって企業戦略まで関わる必要もあります。そのためには、経営士としての品格を磨き上げ、礼節を伴った態度で経営者の方々と接する必要があります。

3.協会の行事に参加しよう!
 協会もこの9月で創業58周年を迎えます。現在協会では、今井理事長のもと、本部・首都圏支部・関西支部・九州中国支部が一体となって、講習会・研究会・セミナー・講演会などを積極的に開催しています。これら行事に積極的に参加するようにしましょう。参加することにより、知識を深めることができ、会員同志の交流を通じて連係を深めたり情報交換ができるようになります。ITを使った会議や連絡が低料金で利用できる時代になっていますので、Skypeを積極的に活用して協会行事に参加しましょう。
 一人一人が協会を盛り立てていくことが、ご自身のスキルアップになり、協会の知名度アップにも繋がると思います。
 60周年に向かって公私ともに頑張りましょう!
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